童話作家 安房直子さんが遺した景色

安房直子さんの作品を紹介しています。
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ひと粒のガラス玉を草のツルに通して『ころころだにのちびねずみ』


『ころころだにのちびねずみ』


☆あらすじ☆

ころころだにの谷底にひとりぼっちで住んでいる男の子のねずみがいました。
ちびねずみは恥ずかしがり屋で怖がり屋で、いつも自分の穴に引っ込んでいました。

だから、空は谷底から見える細長い空しか知らないし、
花は、谷に咲くユリの花しか知らないのです。

でも、ころころだには住心地の良いところです。
冷たい水も流れているし、緑の草もたくさんあるし、
ときどき上の方から季節の木の実などが落ちてきたりします。

「だから、僕ちっとも不自由してないんだ。
おともだちなんかいなくたって平気さ」

でも、本当は…。

ある晩のこと、ねずみは谷底に座って、細長い空を見ていました。
すると、たくさん光っていた星の一つが急にキラキラ光りだして、
くるくる回りだしたのです。
そして、キラキラ光るものが目の前にポトリと落ちました。

空の星が落っこちてくるなんて、そんなことあるのかしら…。


hhhhh




ひとりぼっちのちびねずみの前に突然現れたねずみの女の子。

女の子が落とした大切なものを一緒に探してあげるのですが、
ちびねずみのぎこちない優しさが、可愛らしくて、
読みながら嬉しくて笑顔になりました。

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[ 2019/04/07 00:00 ] お話「か行」 | TB(-) | CM(0)

ひとりぼっちのおばあさんと不思議なスカーフ『黄色いスカーフ』


『黄色いスカーフ』


☆あらすじ☆

春間近のある朝、外出時に大きなスカーフを持っていくと便利だという
新聞記事を読んだ、一人暮らしのおばあさん。

なるほど、私も試してみようかしらと、たんすの中から
目も覚めるような鮮やかな黄色い絹のスカーフを取り出してみました。

すると、心が明るくなってどこかへ出掛けたくなりました。

いそいそと、濃いオリーブ色の新しいワンピースに着替えて、家を出ました。

並木道を歩いていると風が吹いて髪が乱れたので、
さっそく黄色いスカーフで髪を包んでみました。

そして、通りがかりのクリーニング屋のガラスに写った自分を見て
たちまち真っ赤になってしまいました。

頭にカナリヤ百羽乗せてるみたいな派手な姿だと思ったのです。

大急ぎで黄色いスカーフをむしり取ると、クシャクシャに丸めて
バッグに放り込みました。

急ぎ足で歩きながら、おばあさんは恥ずかしくてたまりません。

すると、いきなりバッグからこんな声が聞こえてきました。

「ひろげて、ひろげて」
「こんなにクシャクシャにされたんじゃ、息もつけない」

それは、バッグに丸めて放り込んだ、黄色いスカーフの声でした。


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ひとりぼっちで暮らしている主人公のおばあさん。
春が近づく陽気に誘われてどこかに出掛けてみたくなりました。

こんなときに、電話でもかけて気軽に話のできる娘でもいたら…
という思いが湧き上がってきましたが、まだ元気だし、住む家もあるし、
お金にも困っていないのだから、そんな贅沢は言わないことにしましょうと、
思いを打ち消していきます。

そして、「私は幸せ者です」と、自分に言い聞かせるように
一人で出掛けて行くのです。

不幸じゃないけれど、なんだか胸にある淋しさに気づく瞬間。

けれど、これまでの生活は自分で選んできたことも事実。
それを分かって、何不自由なく暮らせている自分は幸せだと…。

少し切なさや淋しさを感じてしまうお話なのですが、
初春の雰囲気や暖かい季節の楽しみも感じられる作品です。

黄色いスカーフ、黄色いオレンジ、黄バラ、
黄色いカナリヤ、黄色いブリン

桜のピンク色も可愛いけれど、黄色も春に似合いますね。





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[ 2019/03/31 00:00 ] お話「か行」 | TB(-) | CM(0)

森の小さな病院とうぐいすのお話『うぐいす』


『うぐいす』


☆あらすじ☆

森の中に、年取ったお医者さんと年取った看護婦さんの夫婦だけで営んでいる
古い小さな小さな病院がありました。

玄関のドアには「みならいかんごふさんぼしゅう」の張り紙がしてありますが
まだ来てくれる人はいませんでした。

お医者さんも看護婦さんも疲れ切っていました。
この病院も、もうおしまいにしなければならないだろうかと思うのですが、
頼ってやってくる村の人たちを思うと、なかなか決めかねずにいました。

ある春の明るいお月夜の晩でした。
「こんばんは」と玄関で呼ぶ声がしてお医者さんが出てみると、
とても小柄な若い娘が立っていました。

そして、「わたし、看護婦さんになりにきました」と言うのです。

それは以前怪我の治療をしてあげたうぐいすでした。

怪我をして病院の庭に倒れていたところを近くの子供が拾って
お医者さんに預けた緑色の小鳥でした。



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このお話の絵がとても素敵で好きです。
森の中の小さな病院。
お医者さんと看護婦さんご夫婦。
そして、小枝のように華奢で小さいうぐいすの看護婦さん。

春の柔らかさを感じられる絵で、本のページをめくるたびに
優しい気持ちになりました。


寒さの中にも暖かい陽射しが混じるようになった今日この頃。
そして、うぐいすの声を聞く回数も増えてきました。

姿は見えないのに、あの「ホーホケキョ」って鳴き声が
どこからともなく聞こえると春の気配を感じられて嬉しくなります。





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[ 2019/03/21 00:00 ] お話「あ行」 | TB(-) | CM(0)
プロフィール

すきっぷ

Author:すきっぷ
安房直子さん作品に恋したアラフォー女「すきっぷ」です。

*安房直子さんご本人や関係各所とは一切関係ありません。


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